TRANSLATE

このブログを検索

2024/05/24

絶望しかなかったコロナ禍の出産を振り返る

2020年1月。

第二子の出産予定日に合わせ、臨月のタイミングからフルタイムで長男を預けられるよう、慣らし保育的な週3日の保育園通園が始まりました。

(正確には保育園ではないので、「学校」と呼んでいます。)


長男が1歳後半の頃です。


3月までの3か月間で1学期なので、その間は週3日。

4月からの新学期でフルタイムにする予定でした。1日も休みのない育児に疲れ果てていた私にとって、臨月の一ヵ月は休憩したい(臨月だから全然休憩できないけど)という本当にささやかな希望でした。


しかし誰も気に留めないような小さなニュースによって、私は恐怖と不安に一人震えていました。


夫の仕事の関係で、中国関連の情報が割と迅速に伝わる状況下だったので、私はもう、その時点で、これは春節で一気に広まるな、とこっそり確信していたのです。


同時に、私が罹患してしまったら私と胎児はどうなるのか。

1歳の長男が罹患したらどうなるのか。

ということが最初のうちはとにかく心配でした。

恐ろしかったです。

もう詳細は忘れてしまいましたが、後にも先にもないほど大きな恐怖だったことだけは、はっきり覚えています。


自衛のために外出を極力避けてひきこもり、出勤しなければいけない夫にも注意するよう、毎日しつこくお願いしていました。

長男に関しては心配するしかなかった。

TDS。年パスでの入園はこれが最後でした。

2月になるともう世の中が大騒ぎ。

夫も仕事関連で大混乱。

通園し始めて間もないのに、3月には最初の休園。

あの頃は各学校ごと対応を迫られ、わが校も保護者にアンケートをとるなどして一度再開したものの、4月7日の緊急事態宣言発令を受け、完全に閉園となってしまいました。


妊娠35週5日。臨月に入る、2日前のことでした。


それまでは夫も在宅したり出勤したり。

すでにお腹の大きな私は生きているだけでしんどい期間に突入しており、しかし、アンケートを受け開園の決断をしてくださった学校にも、長男を通わせるべきか否か。

全年齢の子を持つ保護者の方々が、みなさん大きく葛藤した時期だと思います。

本当に、どうすればよいのか、何が正しいのか、わからなかった。


これにより、私のたったひとつの希望は失われ、産後に予約していた産後院も休業でキャンセル。

第二子出産に関する全ての計画が台無しになってしまいました。絶望です。


更に、産院での定期検診も減らされ、私が唯一心の頼りにしていた助産師外来も無くなり、八方塞がり。

臨月の私は恐怖に怯え、家でじっと息をひそめて居るほかなく、しかしその家の中には1歳児と難病を患った老犬が居るというカオスーーーー


そして予定日が近づいて来たとき、ついに産院の医師・看護師に罹患者発生。

もうどこでお産できるのかも不明な状態。



今思い返しても絶望的すぎる・・・



それでもまだ私は二人目だったから良かった。

付き添いや面会、産前学級なども一切禁止・中止になった中、初産婦さんはどんなに不安で心細かったろうと思います。


実は付き添い・面会禁止に関してだけは私はその方が良かったと思っていて。

産院へ行っても妊婦か産後の女性しかおらず、産後も面会がないので赤ちゃんと2人でのんびり過ごせて、ラクでした。

(長男と離れるのは初めてのことだったので物凄く寂しかったです。)


ただ、出産時の記録が残せなかったのは残念でした。

できるだけ少人数でのお産だったので助産師さんもみなさん手いっぱいで、私は2人目なのであっという間の子宮口全開で、産まれた瞬間にあわててて自らカメラを構えて撮影。

お腹をぐいぐい押され、産後の処理をされながら夢中で動画や写真を撮りました。

その時は助産師さんもお忙しい中撮影にご協力くださって。

こんな状況下だからこそできることを精一杯、というご対応が本当にありがたかったです。


そして私がなぜ出産直後にそんなことができたかと言いますと、麻酔分娩だったからです。


というか寧ろそのため、他人と接触できず頼れる人が居ない状態でも産後すぐに新生児と長男のお世話が自力でできるよう体力を少しでも温存しておくために、どうしても麻酔にしたかったし、結果正解でした。

その麻酔もコロナのせいで(確か麻酔科医の勤務制限か何かで)直前まで打てるかどうかわからず、もーーーー不安しかありませんでした。


ちなみにみなさん、覚えていますか? 

日本全国からアルコール消毒液とウェットティッシュが消滅したことを・・・!

産院には通常、新生児への様々な感染などを防ぐため各部屋にアルコール消毒液が設置されているのですが、2020年5月には、それさえも無くなっていたんです。

消毒しないで赤ちゃん抱っこしていいの…?という不安。

何度も言うけどもう不安しかない。そんな第二子出産でした・・・


それからマスクも消滅して、手作りガーゼマスクが一世を風靡し、全国の赤ちゃん用品店から赤ちゃん用のガーゼが消滅するというえげつない事件も発生。

初産婦さん、本当に大変でした。よく乗り越えましたね😭

そういえば、出産時もマスクしながらでした。苦しかった。


そんなこんなで私もなんとか乗り越えた産後―――

世界中が予想だにしなかった規模の感染拡大にのまれ、乳児と幼児への未知なる感染に怯えながらの暮らしが始まったのでした。


・・・


あれは一体なんだったの。

みなさん、それぞれのコロナ禍での生活、本当にお疲れさまでした。

おしまい。

do you like it?