2014/03/11

SEAコンセプト開発マスタークラスでデンマークへ3

の、続き。

(我らがアースナルより。↓)
さて 色々ありましたが今回の目的は ヨーロッパ・南米(ブラジル)・アジア(日本)による 共同企画開発。
結論をはっきり言います。 「3国による企画開発」という点では 期待外れでした。

一番の問題は、日本の市場が 完全に孤立した状態であり、そこを海外が問題視していない、ということ。

我々日本人は 日本の市場に対して飽和と限界を感じているので もっと海外に進出したい。
その足がかりとして 今回SEA参加したわけですが・・・
逆に、海外は 今の市場にまだ余裕があるので(日本以外は世界規模だからね) 別に あえてここで日本と絡む必要性を感じていない。
そのギャップが 今回の不満に於ける 一番の理由だった気がします。


毎日、朝から 「ベテラン」によるレクチャーを受けました。
世界中で放送されているTVシリーズのプロデューサーとか、「海外では」超活躍している人ばかり。

でも、内容や 言っていることは 当たり前のことで 新鮮味に欠けました。
何か 「とても新鮮で 新しい知識」が得られることを期待していたので 残念でした。
まぁ、我々の考え方ややり方が 十分世界に通用するんだな、ということが 確認できてよかったとも言えるけど。

他の国の子たちは 一体どう思ってるんだろう、と疑問に思い 聞いてみたら みんな同じような反応ではあったので
特に すごいこと言ってる! ってわけではなかったみたい。。
レクチャー内や 他の国からの参加者が語る 「世界市場の基準」 に ことごとく日本が含まれていない。
頻繁に引き合いに出される 「ネットフリックス(オンラインで映画視聴できるサービス。)」
「カートゥーンネットワーク(子供向けアニメチャンネル。)「ディズニーチャンネル」「ガンボ―(?)」
それが 彼らの中では大成功例で、どうやったらそこで放送できるか、とか どうやったらガンボ―(?)みたいになれるか、とか。。。

それ、日本で 全然流行ってないから!!!!!!!!
てゆか
ガンボ―(?)って何なんだよォ(●_●)

ある夜 ホテルで日本人みんなで寄り集まって 「ガンボ―、ガンボ―言ってるけど 一体ガンボ―って何なんだ」 と
大グーグル大会が開催されたわけですが スペルが判らん(●_●)

結局 検索できなくて 次の日 「ガンボ―って一体何なの」 と聞いてみたら。。。
これでした。
なるほどー・・・
これはないわ(●_●)

でね、「KAWAII」って単語が 海外で(日本からの)外来語として 普及しているじゃない。 普及してるんですよ。わりと。
でも、まぁ 「ニート」 という外来語が 本来の意味と違ってしまっているように、 やっぱり 向こうでも独自に解釈されていて
それは知ってたんだけど、
この機会に 「かわいい」 の 認識のすり合わせをしてみたわけです。

あ、これは わたしが個人的に わたしのグループで 最初にやんなきゃ アメリカの市場に呑まれる!と想って やったことデス。

そしたらね、やっぱり「ガンボ―」が、かわいいんだって。
デンマーク人も、ブラジル人も、このキャラのことを、本当に、心から、「かわいい」 と 想ってるんだって!!!
でたー!宗教の違い!!!!!

これは 困りましたよ。

宗教(わたし語。価値観とか、絶対に交わらない考え方や認識の違い。)が違う同士で どうやって開発しろと。。。
「これがよい」と想うものが、見てる世界が、決定的に違うんだよ(●_●)

でも大丈夫。 わたしは ケネ(デニッシュ)とペドロ(ブラジリアン)と同じグループになった時に
彼らのドローイングをぐぐって、
ケネは日本の「かわいい」を描ける
と確信していたので。
まぁ、どんなにおしゃべりするよりも 絵を見ればその人のこと解るので 絵描き同士ってのは便利なものなのです:D

で、実際に 「かわいい」を教えたら やはりケネはちゃんと描ける。
でも、日本の「かわいい」って 目の位置や形や大きさ、とか 本当に ちょっとしたバランスで、
ケネの手は 元々それが描けるように出来ているんだけど ケネ自身は 理屈で理解していたようで(真面目笑)
「これはかわいい?」「これは?」と いちいち確認しないと 「かわいい!」っていう感覚は 解んないみたいだった。。

そんなこんなで 最初に 念押しと わたしによる「日本のかわいい」レクチャーにより
わたしのグループでは わたしがビジュアルの最終決定権を握ることに。

日本ではビジュアルが好くないと もう絶対にダメなので そこは絶対に譲れない、
見た目がガンボ―になったら困る
と想い そこは死守。

しかし、その発想自体が より深い問題であったのです。
(ウチのバックグラウンドアーティスト、ニキたん(忍者)。↓)
ちょっと、業界のコアな人しか解んないお話になっちゃうんですが、(まーこんな長文コアな人しか読んでないとおもうけど、、)
日本だと、「えーTV(アニメ)シリーズつくるのーなんのためにー(白目)」 ってかんじじゃないですかー。

・・・どういうことかというと、、、
日本では TVシリーズ作っても、全くお金にならないどころか こっちが赤字になるくらい。

カートゥーンネットワークとか ニコロデオン的な キッズチャンネルに値するのは E テ レ なので
正直申し上げますと 権利関係とか 色々面倒なわけで
しかし かと言って 民放に いわゆるアニメではなく 純粋な子供向けアニメ枠なんて無いし
無理やり どっかの枠押さえたとして どんだけの儲けが出るかって 全く出ないわけで
「TVシリーズにしたい」という願望が あまり、無い、わけです。

どこでお金を回収するかって やはり キャラクター商品が一番で、
映像自体では 回収できない。
TV放映も 結局グッズを売るための宣伝で、確かに宣伝効果は大きいかもしれないけど、
今の時代 別にわざわざTV放映を宣伝媒体として選ぶ必要もない わけです。

この認識が、「日本以外の国」では 違う。

「TVシリーズは儲かる」 だから 「みんなTVシリーズを作りたい」 んです。

日本以外で世界規模な もろもろのキッズチャンネルは、母体はアメリカですが ヨーロッパでも南米でも そこがメインの市場となっています。
で、ここ重要なんだけど、
デンマークでも ブラジルでも 国が制作費を出してくれます。

もちろん、申請して 通らないといけないんだけど、それが 映画祭出品用の作品だけでなく TVシリーズの制作にも 適用されるんですって。
だから TVシリーズを作れば
・国のお金で作れる
・TV局が 大枚はたいて買ってくれる
ってことで ぼろ儲けなわけです。

彼らがTVシリーズにこだわる理由は ここらへんにあり、日本とは 決定的に違う 市場の仕組みです。
今回のSEAでも 全5グループが みんなTVシリーズの企画 になってしまいました。


他のグループでも 色々あったみたいだけど わたしのグル―プでも わたしは途中で 企画内容が 長編向けになってきたので
長編にすることを提案したんだけど言いくるめられ
まーいっか 実制作じゃなくてプレゼンのためだし 今はとりあえずこれで。。。 と 一度妥協し、

しかし 途中で 講師にも 「長編にしたら、、」と言われ もう一度 「わたしも長編がいーと思う」 と言ったんだけど言いくるめられ

結局 最後のプレゼンでも 審査員たちに 口々に 「絶対に長編向きだ」 と言われ
ついに 長編に方向転換しましたヾ(^0^)ノ

だから最初から言ってんじゃん。。。(=_=)

今回の企画を このマスタークラスが終了してから実現させるために 最も現実的なのは、長編を作ってグッズと共に売り出すこと。
TVシリーズなんて いつ企画が通るかもわからないし 日本では通用しない。
(しかも、海外の枠って 尺が 「11分」「22分」なんだよ。 そんな放送枠日本にないって。。。)
でも、長編だったら すぐにでも作り始められる。
そう 最初から言ってるのに。。。

でも、そのおかげで この根深い認識の違い・市場の違いが判って よかった。お勉強になった。
(最終プレゼンの様子。デンマークでいちばん大きいTV局の偉い人とか来てた。↓)
そういう、市場や認識の違いを グループワークの前に 全員で 知識としてはっきり持ったうえで、
じゃあ 3か国の市場 全てで通用する売り方・作り方はどういうものか、考える、っていう
新しい開発を わたしは期待していた。
最初に言った「期待外れで残念」 というのは この点に集約されています。

難しかったのは、やはり 「既に一度完結している市場を持ち、新たに市場拡大を求めている日本」 と、
「アメリカ(や日本)からの輸入で ほとんどの市場が成り立っており、発展途上のデンマークとブラジル」という
大きな違いを持つ3か国で 共同開発をする、という そもそものコンセプトです。

ブラジリアンのパオロが 「日本のアニメ市場は一体何年前からある?50年、60年の話でしょう?ブラジルは5年なんだ」
と言っていたのが とても印象的でした。

彼らの発想は どうしても アメリカ的・日本的になる。

そこがわたしにとっては とてももどかしかった。
どうして 自分たちの独自の文化を築いて 世界に発信しようとしないんだろう!って、つい思っちゃうんだけど
今 まさに これからの数年が 彼らにとって「その時代」 なんだよなぁ。。



そこは難しかったけど、ただ、この経験・出会いは 本当に かけがえのないものになったので
SEAに参加したことは 本当に よかった。

しかも わたしが 別れ際 モートン(この組織のボスでSEA主催者)に
「このシステムと存在が本当に素晴らしい。日本には無いので、感銘を受けた。また絶対戻って来たい。」というようなことを言ったら
(なんで日本語訳って こういうかんじになっちゃうんだろ)
「じゃあ来なよ(・v‐)b」 と言われ。。。

わたしのグループメンバーが その場に呼び集められ、開発を続けられることにヾ(^0^)ノ

そんな簡単でいいの??(●_●)

いや、確かに 最初から講師たちにも「ハイコンセプト」と言われていたし モートンも世界観を気に入ってくれていたけど、、
日本じゃ考えらんない気軽さ。。。(●_●)


で、マスタークラス終了後 なんと わずか3日で モートンから正式な決定の連絡が。
わたしとペドロの渡航費・宿泊費が提供されるので、もう一度 TAWに2週間行って
この企画を(長編として)改めて詰める というお話に。

いつ集まるかは みんなで話し合って決めてネ(・v‐)b
だって。。。
う、うれしい。 けど、不安。

審査員としても参加していたデンマークの制作会社が出資とプロデュースの申し出をしてくれている、ということで
かなり現実的なお話。
こないだは プレゼンのために いっぱい妥協したけど 次は もう妥協できない。
わたし、絶対ケンカする。。。(=_=)

でも、こんな機会 どれだけの人が欲しがっているんだろう、本当にありがたい!絶対にやりたい!
も~ ケンカするつもりで臨もう! と。



そんなこんなで 2週間で終わりと想っていた わたしのデンマークでの開発は 実はこれから始まるようですヾ(^0^)ノ


今回、日本の市場が どれだけ特殊で 孤立しているか ということを 実体験として学びました。

しかも、やはり日本国内で完結している 小さな日本の市場の激戦具合は 世界には無い現象で
「少しの違いで 大ヒットか 全く振るわないかが決まる」 という 我々の厳しい意識は 日本固有のもので
話し合ってても「そこそんなアバウトでいいの??」ってことが 何度もあったし

日本では 常に新しいものが求められ 流行り廃りの流れも速く この厳しく目の肥えた消費者に対する我々の日々の奮闘が
確実に肥やしになっているなと
我々日本人が 価値観は違えど 十分世界の市場で戦える余地はあるな、と 感じました。


今まさに、日本の市場が 世界へ拡大していく時代。
日本の 本当の「かわいい」文化が 世界の認識となる、 世界の宗教となる日も近い! ってーかんじです~

とゆわけで 今回のSEA記録は これにて終了。
日本のカオスへ戻りま~すヾ(・ω・)ノ