2009/03/22

若きウェルテルの悩み

ゲーテはフランス人じゃないよ。ドイツ人。

フランスで フランスの高校に通って、現地の人たちが それを通らずには大人にならない、みたいな 歴史や地理、、文学、を
色々 ぼんやり 眺めてた。 フランス語解らなかったからね;
ゲーテも、そのひとつ。

「名作文学」と言われている本を読むと、そう言われている理由が判るというか、理由が判るどころか、
言葉が見つからないほど、、、あまりに卓越していて、 そう、最初からそこにあったみたい、人間が生み出したなんて思えない。

若きウェルテルの悩み、は、「若き」って部分に 全て集約されている。

わたしは この宇宙、この世で 唯一の存在、特別な存在なんだけれど、「特に異なった人間」ではない
例えば 自分だけだ、と思うことは 独りよがりな場合が多くて、細かくみれば違うけど、人間は 「大体みんな似ている」。
つまり、わたしは ウェルテルに とても 自分を重ねてしまったんだけど、
これを読む人の多くは 大抵そうなるんじゃないかな、ってこと。

ウェルテルは、よく 解っている。 平和を好み、理想と掲げて、それが どんなに理想であるか、そして どんなに、
自分の 現実と かけ離れているか。

ウェルテルは 大人らしく 一見 客観的であるように見える。 
でも そのすべてが 「若さ」 なのだ、、

これは わたしが 痛いほどよく解っていること、 そして きっと ウェルテルも。
正しいと思われることを 理解されないと知っていながら 他人に主張してしまう、
そのうち自分が精神を痛め、自分はなんて子供なんだろう、と想う。 そしてこれを、繰り返す。

ウェルテルが 他人と言い争う時、わたしは 自分の脳ミソが あまりに平凡であることを知った、
今 生きて考えている わたしのこの思考は まさに 筋書き通り、、、勿論、ウェルテルの方が 言葉は巧みだけれど。

他人に対する もどかしさ、、そして それが どうしようもないことである、と理解していることへの絶望、、

このお話は、「若き」ウェルテルが、恋に絶望して 自殺をする、という あらすじで、 そう聞かされて読み始めるから
わたしは すごく興味があった、あまりにも 自分と重なる ウェルテルが どう 追い込まれて どういう状態になって
どのように 最期へと 集約されていくのか。
(彼らが陥る「恋」、私の場合は もちろん、アニメーション、映像世界に対しての 執着心。)

実際の 最期は 壮絶なもので、 いや 壮絶なのは ゲーテの文章力なんだけど
だって 物語終盤が あんな描き方されてるなんて 読み始めの頃 誰が想像できただろう!
読み終えて 一息ついたら いっきに ぶわっ って 鳥肌がたつ・・・!!! 

ところで、「恋でダメになる」と言えば 先日 ご紹介したフランス文学、マノン・レスコー。
同じテーマに見えるけど、全然違う、、、難しいけど、ウェルテルは 恋といいながら、恋のお話を読んでる気がしない。
重要なのは ウェルテルの思考、言葉、ゲーテの描き方が あまりに巧みで。
一語一語が重厚、、、よく考えられてる。

マノンレスコーは もっと ロマンチックで流麗、大衆文学的。恋、恋、恋!って どっぷり「物語」な、かんじ。
無駄にわめく部分が多いというか。(無駄、っていうのは 娯楽、ってこと。)

成長の過程で こういう言い回し、、こんなに 言葉巧みに 自分の もどかしく彷徨う 精神の馴らし方、、を
教えてくれる大人が 周りに居たのなら、どんなにか世界が違っていただろう、と思う、、わたしは とても 精神的だ。

25歳の、今また想う。 若きウェルテルの悩み、は、ゲーテの 25歳の時の作品だ。

(本日は ゲーテの命日)